感情交差

下さい。 君の。 甘い、、、。 甘い、、、。 「奥手」 そう思われても仕方がない。喋らないのだから。 でも、誰にも負けない明かりを灯す心がある。 誰より君を思っているはずだから。 「ざぁねぇん〜」 合宿も数日が過ぎた。日を追うごとに疲労は蓄積されそれを 排出する時間も少なくなる。それでも唯一の自由時間である 就寝前は楽しかった。 「正解はCだよぉ〜」兎丸達は誰かが持ってきた ミリオ○アをして遊んでいた。もちろん兎丸がみの○んた役で。 「ねぇ司馬君もやろうよ〜」 窓際にある椅子に座りぼんやりと星を眺める司馬も仲間に入れという。 別に嫌ではないので縦に首を振る。 「じゃぁ1問目〜世界でも有名なウォルト・ディズニーが キャラクターにした動物は?A・ウサギ、B・イヌ、C・ネコ、D・ネズミ〜」 実に簡単な問題である。 「D」司馬はぼそっと言う。 「せぇかぁい〜。じゃぁ、2問目〜」 司馬は難なくすべての問題を答え、番組なら次の問題で正解すれば 100万円の所まで来ていた。 「100万円に挑戦〜!!!きゃぁ、すごーい。ボクなんか あっという間に終わっちゃったんだ〜」 キャッキャッと幼子のようにはしゃぐ。 だが、少し視線が変わったことに気付いた。 「次の問題はねぇ、、、。」と間を置く。 「司馬君の好きな人は誰〜?」 口元は笑っているが目は完全に闘志を剥き出しである。 司馬は兎丸の罠に 『ひっかかった』 のである。もう後戻りなど出来ない。 チラリと部屋を横目で見るが、姿は見えない ホッと胸をなで下ろした。 だが、周りには犬飼、子津、辰羅川がいる。 「あれぇ?どうしたの?予定外な問題にビックリした?」 「ちょっと、どういうことですか?」 辰羅川が、いつものようにメガネを上げる。 「そうっすよ。そんなプライベートなこと。」 「本当は自分たちも知りたいくせに〜」 ちらっと辰羅川達を見る。その視線に背筋がぞっとする。 「ん〜とじゃぁ、A・兄ちゃん、B・兄ちゃん、C・兄ちゃん、D・兄ちゃん ちなみにボクは全部〜」 大胆不敵な兎丸の宣戦布告である。まさしく開いた口がふさがらない、、、。 「俺も全部」 「それって正解?」 ニヤリと笑い司馬を見る。司馬も縦に首を振る。 「ふぅ〜ん。じゃぁ、僕たちライバル、、、。」 だねと言おうとした瞬間、勢いよくドアが開く。 そこには温泉で火照っている身体と聞いてはいけないかっただろう 兎丸達の会話でゆでだこのように真っ赤になった猿野がいた。 「あぁ〜おかえり〜」 満面の笑みを浮かべて兎丸は手を振った。 司馬もチラリと猿野を見たのだが、目が合ってしまった。 でも、自分にはサングラスというフィルターがある。 自分は目があったのだが、猿野は気付いていないかもしれない。 如何にも合ってそらしましたという感じにはならなくてすむ。 すっと目線をずらし、床を見た。 すると何故か視界が揺れる。次第にその揺れは大きさを増す。 泣いているのだ。サングラスにたまった涙が、落ちずに 留まり、司馬の視界を揺らめかせた。 止めようと瞬きをする度に溢れてくる。溜まりきらなくなり ポタポタと手のひらに零れた。 初めて知る、「嫉妬」という感情。 どうすることもできなくて涙に変わる。 この感情は「恋」と呼ぶにはあまりにも未熟で儚い。 触れてしまえば崩れそうだった。 それでも気付いて欲しいという感情と交差する。 だからもがくことしか出来ずに堕ちていくしかない 下さい。 君の。 甘い、、、。 甘い、、、。 接吻を、、、。

お目を汚して済みません。許さなくて良いです。
今すぐ洗浄もしくは眼科をおすすめします。
私の書く兎丸くんはなんか火種です。
彼が仕掛けてばっかりです。
司馬くんの涙腺を緩くしてみました。どぅです?
ぉぅぉぅぉぅ、、、。読んでくれて有り難う♪。

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