心縛鎖


心を縛る鎖、、、。
繋がれた場所から
憂いの花が咲く、、、。

自分の抱いている感情は何だろうか、、、。
痛くて痛くて苦しくて、、、。
逃げ出したくても逃げ出せない。
すべてを見透かしような思い、、、。

ただ月を見上げ、どうかこの痛みが消えますようにと祈る。


「それって恋なんじゃない？」
痛みに耐えかね、そっとうち明けてみた。
、、、「コイ」、、、
「それってどういうことだってばよ？」
（ねぇ、、、。コイってなぁに、、、？）
「池にいる方の言い方しないの！」
「んっとじゃぁ、、、。」
「人を好きになる方の恋よ！」
（ダレカをスキになる方の、、、。恋？）
「もっと具体的に、、、。」
「私がサスケ君を好きなこと知ってるでしょ？それが恋なのよ！」
フンと腰に手を当て威張る。

今何かに反応した、、、。
その、、、。「恋」っていうのに、、、。
チクチクと刺さってる、、、。
（痛いよ、、、。お願い、、、。抜いて、、、。）

「いつまで喋ってるんだ。休憩時間はとっくに過ぎてるぞ」
サスケの一言にナルトは我に返った。
「はぁい。」
サクラはうぅんと伸びをするとそそくさと自分の仕事に戻った。
珍しく任務と任務の間が空き、只でさえ口数の少ない二人
（正確に言えば話したい少年と聞かない少年）
の間には見えない溝が出来ていた。
「ナルトもほら」
見慣れた細い手が自分の前に差し出された。

ちくっ、、、。
ちくっ、、、。
ちくっ、、、。
余計に増す痛み、、、。

（ねぇ、、、。これって恋って言うの？
それじゃぁ、、、。おれは、、、。）

「自分で立てるってばよ。」
視線を合わせることなく立ち上がった

まるですべてを拒絶するかのように、、、。

（オカシイヨネ。キットソウダヨ。スキニナルナンテ、、、。）

自然と溢れる涙を拭うことも出来ず。
土は受け入れるように吸い込んでいく。
どうかこの想いも吸い込んで、、、。

任務が終わり、いたたまれなくなり家路を急いだ。
誰もいない静かな部屋で一人寂しく夜を過ごす。
いつの間にか慣れたこの生活、、、。
本当は淋しくて淋しくて仕方ないのだけれど。

布団にくるまり、月を見上げる。　想いは馳せて夢の中、、、。


憂いの花は咲き乱れ
散る時を知らず心ごと枯れていく、、、。